僕の仕事で多いのが商品撮影。
いわゆる「物撮り」です。
デジタルカメラを使うようになってフィルムで撮影した時より
撮影時の制約が減りましたが、撮影後の作業を軽減するためにも
露出や色味はもちろん、形を整えたり反射のコントロールやホコリなどの除去も撮影時に行いたいものです。
さて、10センチに満たない樹脂のケースですが、これを真正面から写すのは簡単そうで難しいものです。
歪みの少ないレンズを使い、形を正確に写さないといけません。
また素材の質感描写も大切です。
以前、この透明(やや青味が入っていますが)ケースの中の紙のラベルの裏側のクリーム色が、ケースの中の白い発泡材にかぶってしまい、鈍い感じになってしまいました。
今回のケースも同様でした。
解決のためにはラベルの裏に白い紙を挟み込んでいます。
この紙を作るのがわりと手間がかかります。
これでクリーム色のかぶり(色反射)が抑えられます。
今回の被写体はラベルの色調が暗くて、ケースの側面などからも内部に光が入らないので、白い紙を入れなくても良かったかもしれません。
※この画像は簡易的なライティングです。本番では4灯を使い、シャープな感じに写っています。キズやホコリの修正もしています。
皆さんが何気なく目にする商品写真も、細かいテクニックと慎重な作業で完成しているのです。