下町写真家、今日もはよから起きてみたけど

日本の写真家です、報道に行くつもりが物撮りに。

配信に備えて音声ケーブルを作りました。XLR-3.5mmTRS、カナレL-4E6S使用

5月にあるホールでの式典で配信も行います。

音声はホールの音響設備からもらうのですが、ATEMまでの音声ケーブルが手持ちでなかったので製作しました。

 

ホールの出力はXLRオスのモノラルです。2口ありますが両方とも同じモノラル信号だそうです。音楽ではなく出演者の声なのでモノラルですね。

ホール音声

受け側のATEMは3.5mmTRSジャックでステレオです。

デジタルカメラなど最近はほとんどがこの規格

面倒なので市販品をAmazonサウンドハウスで探したのですが購入に踏み切れず秋葉原で部品を買って組み立てということになった次第です。

実はこの接続はあまりないのです。モノラルの出力をステレオ入力に分配するのです。理屈は簡単ですがあまり需要はないのでしょうね。

例えばATEM側を3.5mmのTSプラグにしてしまうと右側の音が出なくなります。

TRSプラグを使ってT(プラグ先端のチップ)とR(プラグ中間のリング部分)を接続する必要があります。

3.5mmプラグの違い。最近はほとんどが上のTRS型

とにかく当日の失敗は避けたいので、信頼のおける部品を選びました。

ケーブルはマイクケーブルとしても定番のカナレL-4E6S。5mと10mを用意しました。

しなやかで踏み付けにも強く音響特性は素直。200円/1mです

ネクターはノイトリックのXLRとノーブランドですが丈夫そうな3.5TRSプラグ

1つ600円くらいです。安物は作りが雑だったり半田付けの熱に弱い。

参考までに市販品の配線を調べてみました。

40年くらい前のソニーのマイクロフォンの付属品。ITT CANNONのコネクターです。しっかり丁寧に配線されています。

秋葉の千石電商あたりで入手した廉価品。まあなんと細い導線!コネクターも怪しい。

さて久しぶりの半田付けを伴う作業ですが、まずはケーブルの先端を剥いて処理しますが結構大変。よく切れるカッターナイフやニッパー、ワイヤーストリッパー、千枚通しは必須です。内部のメッシュはシールドといいアースとして使い外部からのノイズを遮断します。一般用途ではマイナス信号を流すことが多いです。細い青線がプラス、白い線はマイナスが通ります。青と白が2本ずつ束ねてあるのはスタッカードと呼びます。音質改善やもしもの断線に備えたものでしょうか?

綿や紙は中央導体を保護しています。電気的特性の改善にも役立っているかも。

何気ないケーブルの内部もこれほど凝っているのです。

さて、ケーブルとプラグの配線ですが最初は大失敗。

はんだごてが30Wでは小さすぎて熱が逃げてしまい天ぷら半田となりました。倍の60W の半田ごてを使ったところすんなり半田が溶けてくれます。

XLRの方は比較的簡単、はんだごての熱量も少なく手も大丈夫。1番とシールド線をつなげて金属ケースへも錫メッキ戦で接続し、2番は青のプラス、3番は白のマイナス。

3.5mmTRSプラグは配線部分が狭くて大変でした。熱も逃げてしまうので大きなはんだごてで短時間い仕上げたいです。

シールドと白はスリーブへ、青のプラスはリングとチップにつなげて左と右両方に音声が流れます。

一番悩んだのはシールド線をマイナスと接続するか3.5プラグ側は無接続とするかです。アースのループというノイズの発生も気になりますが、調べた挙句XLR側も3.5プラグ側もシールドとマイナス(白い導体)を接続することにしました。

出来上がってみて、カメラのマイク入力やミキサーにつなげたのですが問題なく感じました。

マイクをカメラに繋いで左右両方に音が送れているのが確認できました。嬉しい!

今回作ったケーブルはXLR→3.5TRSプラグへ流れのみしか使えません。

あまり使う機会はないでしょう。でもないと困ります。

例えば左信号だけしかATEMで認識しなくても「オーディオ調整」で定位をセンターにすればよいだけなのですが。左右両方信号が来ていれば安心感はあります。

2本作ったので結局5千円くらいかかってしまった。