メルカリやヤフオクを見ていると運命的な出会いがあります。
冷静になれない商品が出品されています。
コワイコワイ・・・
出会ってしまったのがこれ、一件ECM-23(またはECM-280)と思ったら違いました。
なんか23より高級感があります。
23は機会があれば欲しいと思っていたのですが、
この54は全く知りませんでした。
1970年代のもので定価が4万円くらいだったようです。
メルカリ恐るべしで、2本で3,000円!しかも送料込み。
写真を見るととてもきれいな2本ですし、マイクホルダーとケーブルも付いています。
ケースはありません。
※5mほどのケーブルが3本、2本は未使用の様でした。プラグ側の配線処理も見事。
※ステレオアームとマイクホルダー
ソニーのコンデンサーマイクで、ECMは主に乾電池で駆動できるエレクトレットコンデンサー型です。漫才や落語でよく使用される四角いマイクはC-38Bというモデルでコンデンサー型です。外部電源(ファンタム電源)も使える業務用です。
※内部もアルミ部品で重厚な雰囲気。スイスのNAGRAの製品を連想させます。
「K.I」は以前の持ち主のイニシアルでしょうか?
さて、このECM-54は調べてもほとんど仕様などわかりません。
ただ9ボルト電池H-7D(7MR9)が現在では入手困難です。
四角い筒型のものではなく丸い円筒形です。
ソニーでは代替品として3CR-MICという電池を販売していましたが、今はありません。
海外から取り寄せられるのが、EVEREADY206型のExell206A、電圧が10.5Vとやや高い
Exell S177(E177)も使えるという情報もありました。
電圧的には3VのCR1/3N電池を3個直列にして9Vにして使用できるようです。
しかしこれでは長さが短く、太さも細くなるので電池室でガタが多くなり
細工が必要となります。
スペーサーがヤフオクで出品されていますが、
2つ買ったら今回の購入金額を上回ります。
https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/x660531279
スペーサーを買った人の記事は、
https://toby-nakamichi.hatenablog.jp/entry/2018/01/29/001000
それらがこのマイクが売れ残った理由かもしれません。
水銀電池がなくなった時はそれを使っていたカメラユーザーも入手に難儀しました。
とにかくすぐさま購入してしまいました。
3千円だもの・・・競争相手は現れませんでした。
出品者は外部の電源で動作検証されているようですので、おそらくファンタム電源が使えると判断しました。
※端子はXLRですがこの部分も剛性が高い雰囲気。内側と外装の筒がガタガタしないように工夫があります。型番を記した文字も浅いのですが刻印の様です。
翌日届いたマイクを見て驚きました。
とてもきれいですし傷も少なく、衝撃を受けたへこみもなく、
ケーブル類も使用感がほとんどありません。
変なにおいもないし、製造番号も「連番」です。
TASCAMのハンディレコーダーに接続して、ファンタム電源を24Vに設定し
録音状態にして、ヘッドフォンで出力が確認できました。
2本とも問題ない感じです。
※音質切り替えのVはおそらくヴォーカル用途向けにフィルターが入るでしょう。
風対策のローカットではない様な? 0、-8というレバースイッチは利得の切り替えです。アッテネーターですね。今でいうPadでしょうか。
※音質切り替えはロックボタンを押しながら回します。
TOKYO JAPANの文字も彫ってあり、塗料が入っています。
※40年以上前の製品とは思えないきれいさです。今のマイクはメッシュ内部はスポンジが張られていることが多いのですが、ECM-54では細かい金網状のシートです。
※光って見えるのが振動板?
ミキサーなどで使う48Vのファンタムが大丈夫か調べてみますが、
こりゃあ良い買い物でした。
高校生依頼たびたび罹ってしまった生録音熱が再燃しそうです。