森山大道さんは世界的にも有名な日本の写真家です。
1938年生まれなので80歳を超えていますが精力的に活動をされているようです。
僕が写真に興味を抱いた10代の頃、すでに写真界の寵児でした。
その作風は力強いものでしたが、僕の好きな限りなく緻密で滑らかな描写とは離れていて「写真」として認めたくない作品でした。
以降、様々な媒体で作品を見る機会はありましたが、
パラパラとみるだけでした。
先日、先輩写真家や仲間の写真家からも写真展「はじめての森山大道」、映画「過去はいつも新しく、未来はつねに懐かしい 写真家 森山大道」を勧められたので興味を持ってしまいました。
まず映画へ。
新宿の武蔵野館。どうも狭い映画館は苦手なのだけど上映館が限られるので仕方ないとおあきらめつつ。
予想よりきれいで席の座り心地も良くゆったりと鑑賞できました。
ほぼ満席(コロナの影響で1席ごと空けてある)で、前列斜め前の年配の男性が左右に動くし、手を頭の上にあげたり挙動が落ち着かないのが気になった。あまりスクリーンも見ていないようだ。つまらないなら寝てしまうか出ていってほしい気もします。
内容は復刻版写真集のメイキングと日常の行動を追ったドキュメンタリーの組合せだった。
おもしろかった。
そして森山さんの人間性が予想したより柔らかく優しい人だなと感じました。
金網の隙間からレンズを差し込んで撮影し終わってから、避けた植物の枝をそーと戻したしぐさに惹かれてしまった。
よく出会うのだが、草木に対して傍若無人のふるまいをするカメラ愛好家とは違う。
映画のパンフレットは64ページで写真集のようなクオリティ。
これで1,000円とは安い。
先日の880円のモノ(The Father)とは大違い。
翌日、写真集を購入しました。
初版は当然高額であり、縮小版はクオリティに不満がある。
探していたら2018年に月曜社という出版社が復刻版を出版したというので
(映画の中でも制作過程が映し出されている)、
探して、その中から2冊を注文しました。
左の「にっぽん劇場写真帖」は232ページ、1349グラム。
http://getsuyosha.jp/kikan/isbn9784865030679.html
右の「写真よさようなら」は328ページで1710グラムというヘビー級。
http://getsuyosha.jp/kikan/isbn9784865030877.html
モノクロ作品を3色のインクとコートも含めた豪華仕立て。
最初の作品集のリニューアル版というもので用紙や印刷、製本も非常にクオリティの高い本になっています。
この2冊が新品で15,000円程度で手に入るのは奇跡でしょう。
「写真よさようなら」は右綴じです。
写真展「はじめての森山大道」、いつ行くかな?
6月25日(金)まで会期延長になったようです。